Content Delivery のスケーリングと設定
Content Delivery (CD) ロールは、訪問者にコンテンツを提供します。スケーリング要件に合わせて複数の CD インスタンスを設定できます。
インストール
Sitecore Installation Framework (SIF) または Sitecore Azure Toolkit (SAT) を使用して、Content Delivery (CD) ロールをインストールします。詳細については、お使いのプラットフォームのバージョンに対応したインストール ガイドを参照してください。
Content Delivery ロールのスケーリング
次の表に、Content Delivery (CD) ロールをスケーリングするためのオプションを示します。
スケーリング オプション |
サポート可否 |
備考 |
---|---|---|
複合インスタンス |
いいえ |
本番環境で Content Delivery ロールを他のロールと組み合わせないでください。CD ロールを他のロールと組み合わせてよいのは、以下の状況に限られます。
注記 開発者環境では、すべてのコア ロールを単一のインスタンスとして組み合わせることができます。これには、Content Management、Content Delivery、xDB Processing、EXM Dispatch が含まれます。この設定は、本番環境では推奨されません。 |
スタンドアロン インスタンス |
はい |
|
高可用性とフェールオーバー |
はい |
パッシブ インスタンスにフェールオーバーするか、ロード バランサーの背後に複数のアクティブ インスタンスを設定できます。 |
負荷分散のための水平スケーリング |
はい |
CD ロールは、負荷分散されたコンテンツ配信クラスターに、または複数のデータ センターにまたがって、水平方向にスケーリングできます。これにより、地理的なスケーリングやデータ センター レベルのフェールオーバーが可能になります。 複数の CD クラスターがあるシナリオでは、以下の点に注意してください。
|
クラスタリング |
はい |
Content Delivery サーバーのクラスターを複数設定できます。各クラスターはそれぞれ固有の Web データベースを持つことができます。9.1 以降では、Content Delivery から Core データベースへの接続は必要ありません。 注記 Sitecore のデフォルトのユーザー管理を使用してエクストラネット ユーザーをサポートする場合は、すべての Content Delivery インスタンスが中央に配置された Security データベースに接続する必要があります。 |
パフォーマンス調整タスク
CD ロールのパフォーマンスを向上させるには、以下のパフォーマンス調整オプションを検討してください。
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1 つ以上の専用 CD インスタンスを使用してセッションの有効期限を処理します。9.1 以前では、これは Redis プロバイダーによってサポートされています。Sitecore 9.2 以降では、すべてのセッション状態プロバイダーがこの機能をサポートしています。
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セッションの有効期限を調整します。
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セッション終了バッチに格納するセッション数を調整します。
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セッションのクリーンアップを設定します。デフォルト設定では、パフォーマンスを重視して、期限切れのセッションがセッション状態データベースからすぐに削除されるようになっています。
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トラッカーの Reference Data Client API のタイムアウトを短くします。Reference Data service の応答時間は、CD の応答時間に影響を与える可能性があります。
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Reference Data データベースによるリソース消費が多いと、Reference Data service からの応答時間が遅くなり、Content Delivery のパフォーマンスが低下する可能性があります。Sitecore 9.0 ~ 9.2 用のパッチが提供されています。
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トラッカーの xConnect Client API のタイムアウトを短くします。xConnect Collection service の応答時間は、CD の応答時間に影響を与える可能性があります。独自のコードで xConnect Client API を使用する場合は、要求あたりのタイムアウト設定を確認してください。
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受信要求の暗号化/復号を処理する専用デバイスを設定します。
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Reference Data ディクショナリ キャッシュを実装することで、Reference Data service への要求を減らします。
-
メディア ライブラリ CDN を使用します。
セキュリティ設定タスク
セキュリティ ガイドの Content Delivery のセクションを参照してください。
コンタクト IP アドレスのマスキング
CD ロールは、受信したすべてのコンタクト IP アドレスを xDB Collection データベース内の InteractionFacets テーブルに保存します。これらの IP アドレスをマスキングするには、<wwwroot>\App_Config\Sitecore\Marketing.Tracking\Sitecore.Analytics.Tracking.config
ファイル内の Analytics.RedactIpAddress
設定の value
属性を変更します。
<configuration>
<sitecore>
<settings>
<setting name="Analytics.RedactIpAddress" value="false" />
</settings>
</sitecore>
</configuration>
次の表に、value
属性を true
または false
に設定したときの結果を示します。
値 |
結果 |
---|---|
|
受信したすべてのコンタクト IP アドレスがプレーン テキストで保存されます。 |
|
受信したすべてのコンタクト IP アドレスがマスキングされ、代わりに空の IP アドレス (0.0.0.0) が保存されます。 重要 この設定を |
コンタクト IP アドレスの暗号化
受信したすべての IP アドレスは、デフォルトで Web データベースに保存されます。これは設定で変更できます。これらの IP アドレスは、Sitecore.CES.GeoIp.Core.IpHashing.IpHashProvider
プロバイダーによって MD5 アルゴリズムとランダムなセキュリティ文字列 (ソルト) を使用して暗号化されます。ソルトは <wwwroot>\App_Config\Sitecore\ DetectionServices.Location\ Sitecore.CES.GeoIp.config
設定ファイルで指定できます。
<configuration>
<sitecore>
<ipHashManager defaultProvider="default">
<providers>
<add
name="default"
salt="<SALT STRING>"
type=" Sitecore.CES.GeoIp.Core.IpHashing.IpHashProvider, Sitecore.CES.GeoIp.Core" />
</providers>
</ipHashManager>
</sitecore>
</configuration>
6 文字以上のランダムな文字からなるソルト文字列を常に入力することをお勧めします。デプロイ後にソルト文字列を変更しないでください。これを行うと、その後受信したコンタクト IP アドレスの暗号化方法が変わり、データの整合性が失われます。
Sitecore には、Hash Stored IPs というツールが用意されています。このツールは、IP アドレスがハッシュ化されていない 8.1 より前の Sitecore バージョンからアップグレードするときに使用します。
一般的な設定タスク
Content Delivery ロールに適用される一般的な設定タスクは次のとおりです。
デフォルト トポロジとパッケージ
次の表に、Content Delivery ロールを含むトポロジと、そのロールがデフォルトでどのようにパッケージ化されているのかを説明します。
Sitecore Installation Framework
Content Delivery ロールは、Sitecore Installation Framework の次のデフォルト トポロジで使用できます。
トポロジ |
Web Deploy パッケージ |
説明 |
---|---|---|
XP 単一 |
|
Content Delivery は、他のすべてのコア ロールとともにバンドルされています。 本番環境では推奨されません。 |
XP スケーリング |
|
Content Delivery のスタンドアロン インスタンス。 |
XM スケーリング |
|
Content Delivery のスタンドアロン インスタンス。 |
Sitecore Azure Toolkit
Content Delivery ロールは、Sitecore Azure Toolkit の次のデフォルト トポロジで使用できます。
トポロジ |
Web Deploy パッケージ |
説明 |
---|---|---|
XP 単一 |
|
Content Delivery は、他のすべてのコア ロールとともにバンドルされています。 本番環境では推奨されません。 |
XP スケーリング |
|
Content Delivery のスタンドアロン インスタンス。 |
XM スケーリング |
|
Content Delivery のスタンドアロン インスタンス。 |
XM 単一 |
|
Content Delivery は、Content Management とともにバンドルされています。 本番環境では推奨されません。 |